冬のブエノスアイレスへ

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今年は年初にブエノスアイレスから帰国して以来、6月に2度ベネズエラ、メキシコ、ニカラグアに旅するまで珍しく一度もアルゼンチンを訪問しなかった。社員も変わって、いろいろな業務をもう一度点検整理する必要があったからだが、今の社員の底力は凄い。この一年で全員が凄い力をつけてきた。以前より多くの仕事をこなしながら、全員の仕事を整理して再分担してみると、「ブラック」と言われてもしょうがない弊社の勤務実態がイベントが重なってもほんの僅かな残業時間でこなせるようになってきた。

で、業務が落ち着いてくると、今度は海外での仕事の整理が溜まってきた。この間ベネズエラ、ニカラグアの仕事をかたづけてきたばかりなのに、8月のタンゴダンス世界選手権の他にもいろいろ溜まった仕事があって、また15日からブエノスに向かうことになった。このところは「急に」が多かったので、航空便の手配が思い通りに行かない。今回もそう。今はネットで購入するのだが、さすがに急だと条件の良いチケットがない。この間はカラカスへ行くのにサンフランシスコ〜マイアミ経由だったが、今度もシカゴ〜マイアミ経由でのブエノス行きとなった。マイアミでのトランジットが50分となかなか厳しいが、ESTAでの入国が待ち時間がなくなったのと、荷物はシカゴで触る以外は何もないのでこれでも十分、なはず。しかも、マイアミ空港にスモーキング・ルームが復活したので、まぁ、一服くらいはできるだろう。もちろん、27日の帰国便は普通にダラス経由がとれているから安心だ。

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今回は今後のタンゴシリーズの楽団の資料集めや、アルゼンチン政府との打ち合わせなどの日程調整、さらに輸入関係の仕事も溜まっているからその整理など。

アルゼンチンは今年は選挙の年で、何かとせわしい年である。まずは、市長・市議会下院の選挙。この間の4月26日に予備選挙が行われ、本選はついこの間の7月5日に終わった。

続いて大統領選挙。何かと評判の悪いクリスティーナ現職大統領だが、現憲法下では3戦はできないため選挙戦の情報が入り乱れている。いずれにしても8月9日予備選挙、10月25日大統領選挙、で、この日に当選がない場合11月24日に大統領決選投票の運びとなる。

さて、7月5日の市長選挙の結果だが、現職マクリ(マクリは大統領選に出馬)の押すPROのオラシオ・ロドリゲス・ラレータが45.50%の得票で1位、キルシュネル前大統領時代に経済大臣も務めた若いイケメン候補マルティン・ルストー(急進党UCRの流れを組む政党ECO)が、25.49%で2位、クリスティーナ大統領の選出母体である勝利戦線の筆頭候補マリアーノ・レカルデが21.92%で3位という結果だった。まぁ、この結果だけ見るとラレータが順当に、と見えるがそこがアルゼンチンの選挙の面白いところ。例えばレカルデの票がすべてルストーに流れればルストーが勝利する計算。7月19日の決選投票までまったく予断は許さない。

https://es.wikipedia.org/wiki/Anexo:Elecciones_en_Argentina_de_2015_(Ciudad_de_Buenos_Aires)#Jefe_de_Gobierno

大統領選もクリスティーナの不人気ばかりが聞こえてくるが、これから10月までのキャンペーン如何ではどうなるのか全くわからない。全国規模で見れば貧困層に強い支持があるクリスティーナ人気も決して侮れない。まぁ、しかし、世界の経済関係者たちの大方の見方ではクリスティーナ時代の債務問題、輸入制限措置などからくる経済不況は10月の大統領選までとみていて、選挙後の状況改善を期待する声が多いのも事実だ。

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私の2人の友人は現在の政府、市政府で要職をこなしてきているが、一人は市長予備選に出馬してレカルデに敗れ、一人は同じPROでもマクリが推さない候補を応援したために、万が一マクリが大統領選に勝った場合でも要職にはつけないだろう、と寂しい情報が入ってきている。しかし、要職に就いていない方がつきあっていて楽しいのも事実で、今度行ったら是非ゆっくり話を聞いてみたいと思う。

今回の旅の主要な目的は、もちろん8月に行われるタンゴダンス世界選手権だが、その他にも毎春やっているタンゴ・シリーズの候補楽団の選定、さらにブラジルでの企画の整理など。実際には8月にスポンサー共々もう一度行くための準備渡航だ。日本で考えるほどアルゼンチンでのスケジューリングは簡単ではないから気が重いが、もう何年もやってきて変に慣れてはいる。要は「なるようにしかならない」。頑張るしかない。