帰国「大」困難者の帰国顛末。給付金の問題!

成田出発前!
成田出発前のファミリー!

 昨日、アルゼンチンのタンゴダンス世界選手権の最初の世界チャンピオンガスパル・ゴドイとそのファミリーがようやく帰国の途に就いた。この飛行機の乗るまでにみんなの血の出るような努力があった。このブログでも書いてきたが、すべてはコロナのせい。彼らは今年春のタンゴ・ステージで日本にやってきた。昨年、そのタンゴ・シリーズが50周年を迎えて、彼の舞踊団と言うことで、それまでの毎年の編成から本物の自分の仲間を集めてのガスパル・カンパニーという形で招聘した。素晴らしいステージだった。なにより振付師としての腕が格段に上がっていた。その出来の良さから、今年もどうめんバーでと思ったが、3カップルという条件をつけられていたので、中から1カップルだけを外しての来日となった。今年も素晴らしかった。昨年の経験が生きて、今年もガスパルの振付師としての腕もさらに上達していた。キンテート・グランデという、未来を指向する楽団も良かったし、申し分ないステージを展開できていた。

 が、このコロナ騒ぎだ。2月7日に神奈川県民ホールでの初日から全国とも絶賛されて来たが、すぐに中国から新型コロナが、と言う騒ぎになってきた。1月半ば頃から本格的に騒ぎになってきて、弊社が2月29にちに企画していた「グランミロンガ」(日本の主にダンス・ファンのために行っているダンス・パーティ)は早々に中止を決定した。タンゴ・ダンスはどう考えても身体を密着して踊る訳だから、一番感染がどうのという話に目をつけられやすい。と言うわけで、早めに中止を打ち出した。他のダンス教室への影響も考えたが、万が一クラスターでも発生してニュースのなろうものならその方が怖い。ただ、コンサートの方はとにかく2月20日の東京の公演まではなんとか乗り切ったものの、それ以降は急にコロナ騒ぎが沸騰、結局2月25日の札幌公演までを最後に、後は北海道、東北の4公演すべて中止、3月5日からの台湾9公演も含めてすべて延期となった。で、他のメンバーは、28日急遽変更した便で帰国。台湾公演は10月に延期となった。

 しかし、ガスパル・ファミリーだけは、日本の後、3月の中旬からインドネシア、イタリア、ロシア、スペインと契約が入っていて日本に滞在していたが、まずインドネシアが続いてロシア、スペインの仕事が次々にキャンセル。その間、イタリアまでは自費で航空券も買って現地で精算、のはずがそれもキャンセル。被害が膨らむばかり。そうこうしているうちにガスパルがコロナに感染。彼の名前を出すことは控えていたが、ここで初めて名前を書くことにした。その方が良いと判断したこともある。以前のブログで名前を控えて書いたとおりだが、誹謗中傷に酷さと言ったらもの凄い。そして、その誹謗中傷を行った人間達は、一部の中止をして自粛していた人の知っているが、まだ自粛要請はなかったものの、ミロンガを敢行したり、参加したりしていた連中だ。ましてや、彼が出入りしていたビルで(そのビルの友人のところで滞在中世話になっていた)教室を開いていたライバルらしいが、ビル中に張り紙までしてビルの大家には清掃まで強要した、と言う話を聞いて驚いた。まぁ、しかし、すぐにその友人には電話をして、名前まで出さなくとも自分の教室に出入りしている人間からコロナの感染者が出たと公表した方が良い、と言う話をして、彼も自分の教室を守ると言うよりは彼のためにどうすべきか悩んでいたのでそう勧めて落ちツタ。一応落ち着いた。結果的にはそれが正解だった。ライバルで競うのは当たり前だし、決して悪いことではないのだが、誰も感染したくてするものではないし「病気」の時は同じダンスを愛好する者同士、一時休戦とするのが当然と思う。まぁ、その気持ちが持てないならば、そんな輩は恐らくすべて上手くいくわけがないと思うが。じつは、ガスパルは一日38度くらいの熱が出て、念のためにPCRを受けたのだった。受けた時点で熱はないし、その後も一度も熱どころか何もおかしなことはなかったのだが、陽性となってしまった。しかし、担当した医師の本当に心のこもった優しい対応で、2週間の経過観察後も8回の検査を終えて「もう完全にコロナはない。女房や子供とキスをしても大丈夫」と言われて帰ってきた。それから、友人の所も居にくいというので、上野付近に広くて安い部屋を借りて住むことになった。嬉しそうに期間祝いをしているところをFBに挙げてしまって私に注意はされたが、海外で感染症に罹り、帰還して仲間が用意してくれた食事会がよほど売れす買ったんだと思う。まぁ、このことくらいで、タンゴ・アーティストが感染、とはならないように最初から保健所だって気を使っているし、当然発症前の行動履歴書も出してあって、できるところは連絡もしているから、恐らく調査もしたに違いない。日本の居ysの判断に間違いはなかった。

 いろいろ起こったが、帰国を熱望するファミリーにとって決定的だったのはアルゼンチンの空港閉鎖だ。で、アルゼンチンは早々と空港閉鎖したお陰で現在でもコロナの感染率は低く済んでいるが、日本同様検査の数は少なく、数字も日本同様適当に手を加えているという噂もある(これは日本の噂ではなく海外にある噂だ)。そこで、日本のアルゼンチンに帰国困難者の支援の話もあったが、何故か彼らには適用されず(その時の対応の酷さを、アルゼンチンの大手のTV局の取材に応えている)、相棒カルラの母国ウルグアイ大使館の本当に心のこもった対応で、ようやくカタール航空でサンパウロまで、サンパウロからはウルグアイ政府が用意した特別便でモンテビデオまで帰ることになった。そして、先週、私は成田に見送りに。出、早めに手続きが終わって、帰宅してゆっくりしていると「俺たちだけが乗れなかった}と悲痛な声。聞くと、ヨーロッパにはアルゼンチンの違法滞在の人間が沢山いて、その連中を急遽送り帰すために、カタール~サンパウロの便は7時間遅れる、よって、サンパウロ~モンテビデオには間に合わない、と言う話らしい(一説にはアルゼンチン政府がヨーロッパの帰国困難者のためにドーハ、ブエノスアイレス便も加えることになって、その作業で遅れることになったとの噂もある)。

 カタールにはかなり抗議したが、結局成田近くのホテル一泊分だけしか払わずに、1週間後の同じ便で帰国、その間は自分で宿泊代金を持つことになった。その間、私が自宅近くにある部屋が、普通は別の目的で使っているのだが、たまたまコロナ騒ぎで業務自粛となって、空いたのでそこをアレンジして済んで貰うことに。彼らは、私との契約は3月5日で終了しているが、2003年からずっと付き合ってきている我が子のような友人だ。海外で病気…その心細さも何度も体験している身だ。とにかくなんとか無事に本国に帰したい、それだけで動いていた。さらに、今回のタンゴツアーーで彼らのアテンドをしてくれたI嬢は、自ら本当に献身的に彼らの面倒を見てくれた。彼らが掛けてきたアルゼンチンの保険会社(本当に十分働いてくれた)とのやりとりから、病院、保険ビザ書き換えの入管手続き(特に入管手続きなどは3蜜の最たる所だったが、私とファミリーを車において、3重のマスクをつけて働いてくれた)とすべてに迅速に完璧に働いてくれた。弊社の出身者には本当に心のこもったプロの人間が多い。感謝するしかない。その間、アメリカン航空のクレーム係を長く務めていた友人に策を授かってカタールの理不尽さをついて交渉したが、良い結論は出ず、現在に至っている。カタール航空としても、実は機上率は4分の一くらいで、それがわかっていても南米の帰国困難者を助ける意味合いがあっての運行だ。まだ戦うつもりだが簡単でなさそうだ。今彼らはドーハからサンパウロへの機中で、もう日本はコリゴリと言うかと思ったら、私たちにここまでしてくれた医師や仲間たち、日本がますます好きになった、子供は日本の大学に行かせたい、と言ってくれている。嬉しいことだ。

 昨日帰宅したら封書が送られてきた。あの10万、20万、30万と訳のわからない論争の挙げ句に、公明党の意見で決まった全員10万円給付のアレだ。公明党は良い意見をいろいろ持っているんだから、もっとあの政府のおかしなデタラメとか、犯罪に近い事柄に対してはもっと意見をぶつけた方が良いのに、と思うが。立憲民主党は、どうも政権奪還の強力な意思が感じられない国会行動ばかり。枝野の言っていることやっていることは間違っては以内が、さて、この政党に信頼を寄せ、新たな未来を考えたいという人間が増えないのは、彼自身がよく考えた方が良い。そのためには今現在政権批判を集約できる人間に立場を譲り、いずれまた機会を習う、くらいのスタンスが必要だ。いずれにしてもそんな展望すら見えていないようでは誰も自分の未来をこの政党に身を任すことはないだろう。

 さて、封書に話を戻そう。今記入してみたら、確かに皆が良く間違えるという「必要」「不必要」のチェックが問題かな?不必要な人間なんて数少ないんだから、「不必要」の文字を小さくするとかするだけでも大分違うし、こんな項目を入れるからおかしくなる貰っていらない人間は他に廻せば良い。欲しい人間は普通に一杯いる。あの麻生の「希望し、申請した者に」という30万の時の発言が、ここにも見えている人間が沢山居る。この項目に麻生の顔を思い受けべない人間はいない。しかも、この手の作業には「人間性溢れる気持ちが必要なのに、ヤクザ張りの発言を繰り返す人間の顔が浮かぶようじゃ…」だ。最も大事なのは、「早く支給すること」。記入ミスという前に、まずあなたたちの準備はどうか?だいたい基本台帳なり照合できるものはデジタル化で先に共有化するなり、簡便化する方法を誰も考えない。IT大臣がIT全くの素人だったり、厚労大臣は官僚に調べさせる前に自分で調べて考えろよ、のタイプ。「厚労行政に長けた」というなら国会の場で役人のメモばかり読み上げるなよ。役所に働く人間にとっては、機械に仕事を奪われたくないという意識がどこかにあるのかもしれない。しかし、緊急事態の今こそ、その効率化がいかに大事かが見えてくる。さらに言えば、携帯による個人の行動履歴調査のアプリ、個人情報は特定しないものだが、これは劇場、ライブハウス、ダンス教室などを扱う商売では一番嫌な事だけど、問題克服に最も大事なのではないか、と思う。台湾は一人の天才が1日で立ち上げたそうな。韓国も同様らしい。日本にはもっとたくさん天才がいるはずだが(最も天才じゃなくてもできそう)、そこと政治との距離が遠すぎる、と思う。特に安倍厚労省、文科省などは人事をみても、派閥のポスト分けに使われているとしか思えないもの。あるいはそれを許したにしても、自分に足りないところは外部からでも勇気を持って登用する覚悟のある人が就かないと。

 給付金でもう一つの問題。持続化給付金だ。政府はこの作業を「電通」にほぼ丸投げした。今の時代代理業と言うそのものが時代錯誤で、その代表格が電通、博報堂の代理店だ。企画を安く叩いて、スポンサーからはとんでもない金を請求する。そして、支払いは手形だ。つまり、1月からスタートする1000万円のプロジェクトの対価が現金になるのは、電通の場合7月末、博報堂だと9月になるのである。しかも、制作期間中はもちろん、納品後もすぐにはお金がもらえるわけではないので、外注先はこの間の支出は全部自分のお財布で立て替える。支払ってもらっても、約束手形での支払いなので、金融機関に手数料を支払うので、まるまるこの金額が手に入るわけではない。電通は能力のない政府、経産省からこの作業を丸投げして貰い、そして、今回の場合、20億円の差額を手に入れる。「早く」が重要だったから、今回はもう遅いが、この20億円の内容については明らかにして、次の方法を考えるべきだ。

 いずれにしても、コロナ問題は有効な薬かワクチンができるまでは長い戦いになるのは目に見えている。しかし、この問題は、何も今の政権だけの問題ではない。日本の政治を司るすべての人間、意識の問題だと思う。その見識に前進がない限り、マスア選び側の国民側の見識に前進がない限り、あたらしい感染病の対策どころか、日本そのものの未来が危ない。

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