忙しい日程を終え、いよいよ帰国へ

_DSC9024Xニカラグアからブエノスへ入り、慌ただしく過ごしているうちに、もう帰国の日となった。今回急に日本出発となったのは、ニカラグアでのメンバー決定が一番だった。カティアという歌手を決めていたのはよいが、前回は録画するというのにメンバーのレベルが酷かった…。ずっと心配だった。国際的なレベルのミュージシャンがそう多くないこの国で、それでもこの間のメンバーはちょっと?だった。で、youtubeなどでもいろいろ調べたが、なかなか適当なのがいない。しばらくしてカティア側から「良いのが決まりそう」と連絡を受けたのが出発の数週間前、それが「ラ・クネータ」だった。いわゆる今中南米で絶好調のクンビア・バンド、今年のグラミー賞にノミネートされていたなかなかのバンド。しかし、カティアの音楽とどうしてもシンクロしない。で、聞いていくうちに、カティア自身が「全く心配するな」と言っているという。で、とにもかくにも確認と思って日本を飛び出したのだ。カネータは現在ヨーロッパ・ツアー中だが、この時期を逃すと、自分のスケジュールが適当な時期に組めないこともあるし、来春のタンゴでの歌手の問題も浮上(ロモの夫人だったが、なんと夫婦初めての妊娠)、楽団メンバーにも変更の可能性が、とまとめておくことがたくさんになってきた故の出発だった。しかし、そんな出発前の問題をすべてクリアーできて帰国につくことにできた。

 

_DSC9383ロンバルディ大臣への選挙での勝利への挨拶ができていなかったこと、また敗れてしまったグスターボ・ロペス前官房副長官へのねぎらい。これも結構気になっていたこと。また、今回直前になくなったマリアーノ・モーレスにはずいぶん世話になっていたのに、ここ数年手紙を書こうにも縛らす返事がなく、心配だったこと。これもすべて解決しての帰国となった。ロペス氏は海外出張中で直接に電話で話せたが、彼は全く元気。今後のことはまだ決めていないが、問題なしという。クリスティー_DSC9366ナ前大統領は今や出身地パタゴニアやブエノスアイレスのプエルト・マデーロに所有するマンション3室をつかってのマネーロンダリングが発覚して裁判中だが、ロペス氏は敏腕弁護士が本業で、その裁判にかり出されているのでは?という心配もなく、復帰へ向けての充電中だそう。次回は必ず彼の家で亜サード大会をやろうと言うことに。ロペス長官ははもともとクリスティーナの正義党ではないし、ペロニスタでもない。ブラジルと共同でデジタルTVの方式を日本方式にする件で、当時国営放送局のトップにいたロペスをクリスティーナが直接連れてきたのが真相だ。もっとも、彼の弁護士としての実力を大いに使ってメディア法を成立させたり、ロペス氏も?と思っていた政界の事件の弁護団を率いて勝利させてきたのも事実。しかし、クリスティーナが配線すると、これは南米の常だが、前政権を取り巻く疑惑が噴出中。はっきりってかなり心配していたが、これらの騒動とは無縁にやっているらしいと聞いて安心。モーレスの孫との出会いもこのブログに書いたとおり。まだまだクリアすることはたくさんあるが、これまで抱えてきたもやもやを一気に吹っ飛ばせる良い旅になった。

 

最終日は日曜日。前日に荷物は作っておいたので、夕方ホテルの出発前に電話が来た歌手と会うだけ。ということで、サンテルモで今度持ってきたレンズを試しに写真撮影でもしようと言うことにした。やればやるほどいろいろな発見をして面白い。しばらくこのレンズにはまりそう。

 

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アドリアーナ・ナノ

さて、いよいよ最終的に昨日連絡があって急遽会うことになった女性歌手、アドリアーナ・ナノとの面会。資料を持ってきてくれたが、彼女は長くNYにも住んでいるらしく、英語は完璧だし、彼女に関するHPやblog、SNSもなかなか充実している。このところ、我々が関わるアーティストにはグラミー・ノミネート組がたくさん搭乗するが、彼女も最近グラミーにノミネートされたのだとか。CDを聴いたりYoutubeを覗いてみると、彼女はタンゴだけではなく、もっとぽぴゅらーなものやフォルクローレも歌っている。なかなか良いのだが、飛び抜けた魅力は感じない。この仕事で、自分がこう感じたのに、話を続ける時が一番つらい。で、彼女は結構世界中をツアーしているのだが、日本には行ったことがないので、ネットで廉価チケットを発見して家族で日本にいくらしい。ついでになにかあれば、歌いたいのだそう。で、今年のスケジュールを見ると、東京タンゴ祭が今年は10月2日、ちょうど良い。しかし、ゆっくり聴き直してみて、みんなが喜ぶようだったら多少でも参加してもらおうと思ったが、何曲か聴いてこれは目がなさそう、となってしまった。

 

13151782_10204587034555215_4039848587715941374_n 13151496_10204587034475213_7212187325020477070_nあっ、そうそう昨日のイベントの件メモ。どうも最近はFBで書いてしまうとここのメモを忘れてしまう。最終日前日の土曜日、ロンバルディ大臣からの招待でCCK(セントロ・クルトゥラル・キルシュネル)の再オープン2日目のコンサートへ。コロン劇場を巡って対立していた前政権が、コロン並みの劇場を作ってしまった。これが「鯨」とよばれるホール。昔中央郵便局だった巨大建物の中をくり抜いて、スタジオの感覚でホール全体の接地面を思い切り少なくし、中にステージと客席を作っている。パイプオルガンもコーラス席も完璧。

今日の演目は国立シンフォニー・オーケストラ、ステファン・ラノ指揮でアルゼンチンを代表する作曲家A.ヒナステーラ(ピアソラも彼に習った)の交響的変奏曲 Variaciones Concertantes 作品23、国立混声合唱団が入って、バルトークの「カンタータ・プロファーナ」、第二部はリヒャルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはこう語った』だった。
滅多にシンフォニーを聴かなくなっていたが、音響の良い小屋であの音量で鳴ってくれると迫力がある。しかし、前政権時にはすべて無料で国民に解放していたが、コロンや、他にも立派な小屋がたくさんあって、やっていけるのだろうか、人ごとながら心配。とりあえずモッシ氏とロンバルディ大臣の腕の見せ所だろう。とりあえず、大臣はここに選挙対策で雇われた?まったく無駄な700人の首を切って再開したが、いずれにしても大変だとは思う。この日はマクリ大統領も出席と聞いていたが、若い幹事長マルコス・ペーニャが来賓としてきていた。

 

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エセイサ空港までのバスレーン。これもMETROBUS?

ホテルは15時まででチェックアウトしていたので、何もすることはないし、とりあえずディアナの車でエセイサ空港へ。空港への高速道路だが、中央にバス専用レーンができていて、混雑とは関係なくなっていた。私はバスを利用したことがないから詳しくはわからないが、ひょっとしたら一番楽に早く行けるのはあの高速バスかもしれない。空港で、私はアメリカン航空のステータスが最上のため、エコノミーのチケットでもファースト・クラスでのチェックインができる。早々とラウンジに向かうことに。で、今回は結構元気なのでエコノミーのままでも、と思ったが、エセイサ〜ニューヨークのアメリカンは、ビジネスクラスがあのファーストもどき、フルフラットの凄い奴。NY〜TYOがJALとの共同運行だから、マイレージの威力が届かないためにNYまでなのが(普通は日本まで)残念だが、ついつい無料アップグレードを申し込んでしまった。で、NYまではぐっすり。日本で待つ仕事のことは考えないように…。