興奮のアナ・カロリーナTCA公演


さて、サルヴァドールの2日目。朝から日増しに天気が良くなってくる。朝の湾の景観はさらに素晴らしくなる。が、何だか歯が痛む。歯と言えば、その昔もこの街で歯が痛くなって,歯医者に行ったことがある。ボストンで勉強してきたと言う女医で、なかなかの美人だった。直ってしまうのが惜しくなるほどの….
で、今回も園も井出に浸りながらオースケの行きつけの歯医者へ。しかもまたもや女医さんだという。

 やはり知的な美人だった。元かなりの美人だ。アレルギーはないか、過去にどうの…年宇tもンされた上で、歯を見せると,ブエノスのは医者に言われたと同様、すぐ抜こう、という。ブエノスの時は「抜くのは日本に帰ってから」と断ったが、ここでは何故か従うことに。レントゲンを撮られ…「私は子供頃から歯医者が苦手で…」…「歯医者が好きな人は世界中あまりいない…」…「でも先生のような美人だったら」…とか明るいことを考えている内に抜歯。抜いた途端すっきりだ。

で、この日はオースケがサンパウロへ発つ大事な日というのに彼は昼飯まで付き合ってくれた。そこで始めて知ったが、オースケは実は大学時代(京都の大学の学生だった)まではボクシングまっしぐらの生活で、同じ大阪帝拳ジムの後輩にはあの浪速のジョー、辰吉丈一郎がいたという。最終的には怪我で断念せざるを得なくなってブラジルにきたのだそう。大分変わった人生を歩んできているらしい。その他、書くのをためらうような面白い人生を歩むアーティスト、それがオースケだ。

それで、リオのサイモンからの連絡がない。と、ホテルに戻ってすぐサイモンの知り合いと名乗る男性から電話。「サイモンから話を聞いて手配をした。ついてはまず劇場に行って,劇場の支配人の+++の紹介で…次ぎにコンシャの中で…を探しだし、….の許可を貰っている……なかなか難しい手順だ。で、少し早めにカストロ・アルヴィス劇場へ。言われたとおりにするが,相手にはこの話殆ど伝わっていない様子。しかし、支配人の名前をだした途端におとなしく案内される。で、コンシャ野外劇場へ向かうと門番に追い返されそうになる。ひるまずにその責任者の名前を呼び続けていると、来ました、その責任者。初めて話が通じている人間に出逢うことが出来た。で、昔懐かしいコンシャの楽屋で待つ間、リハー中のアナ・カロリーナの歌声が聞こえてくる。素晴らしい。CDで聴くよりも数倍良い。しかも、どの曲もチェックが細かく、完璧だ。嬉しいアーティストに久しぶりに出逢えた感。もっとも、このブラジルでこれだけビッグネームではとてもじゃないがブラジル音楽低調の日本では招聘出来そうもない…等々考えながらいる内になんと、アナは一旦引き上げたらしい。で、カメラマンのポストへ連行されるが、何と今日は私だけらしい。しかも、そこで撮れるのは3曲だけと。若い強烈なアナ・ファンの羨望の眼差しを背に、しっかりと働く決意。

このショーのタイトルはEnsaio de Cores。アナ自身が描いた作品群の展示会もこの日カストロ・アルヴィス劇場のロビーで行われていた。多才なアーティストだ。アナ・カロリーナはこのショーを今年の初めから行っているようで、リオ公演は6月29、30日の2日間Vivo Rioで行われ大成功だった。それもそのはず、TVグルーボの主催で5月に行ったリオのキンタ・ダ・ボアビスタ公演はなんと30万人の入場者数で記録を創るなど今や絶好調の彼女だ。今回はそのリオ公演の後、サンパウロ郊外のバウルーを経てこのサルヴァドールにやってきたらしい。この後も、ビトリア公演など9月まで公演が組まれているようだ。

先ほどのリハが終わったのが6時少し廻ったところ。で、7時半にオープンするわけがないのに、客は7時を少し廻ったところで一杯だ。コンシャは満員だと完全に万を超える客が入る。今日も完全に超の字のつく満杯。もの凄い人気だ。
8時を少し廻っていよいよステージにミュージシャンが現れた。まず、ピアノのDélia Fischer、続いてチェロのGretel Paganini、ここまで女性で、もう一人は男の子のようなパーカッショニスト、Lanlan。しかし、良く観ると,確かにこれも女性だ。そして、アナの登場になると,もうすでに会場は観客の声でアナの歌が聞こえないほど。結構ゆっくり聴かせたい曲順だったのだが、歌っているアナも苦笑いするほどの聴衆の興奮ぶりだ。で、一応セット・リストは次の通り。

Rai das Cores ( Caetano Veloso)
As Telas e Elas (Ana Carolina)
Alguém Me Disse (Evaldo Gouveia/ Jair Amorim)
Carvão (Ana Carolina)
Todas Elas Juntas Num Só Ser (Lenine)
Azul (Djavan)
Violão (Fátima Guedes/ Paulo Cézar Pinheiro)
Medley: (Feriado/ O Amor É Um Rock/ Entre Tapas e Beijos) (Chico César, Tom Zé, Leandro e Leonardo)
Saí Pra Tomar Três (Ana Carolina/ Edu Krieger)
Cabide (Ana Carolina)
Duelo de Pandeiros
Heroína e Vilã (Antônio Villeroy)
10 Minutos (Ana Carolina/ Chiara Civello)
Claridade (Ana Carolina/ Aleh)
Só Fala Em Mim/ Pra Rua Me Levar (Ana Carolina/ Antônio Villeroy/Celso Fonseca, Ana Carolina/ Antônio Villeroy)
Força Estranha (Caetano Veloso)
Quem de Nós Dois (Gian Lucca Grignani/ Massima Luca/ Vers: Ana Carolina/ Dudu Falcão)
Eu Comi a Madona (Ana Carolina/ Antônio Villeroy/ Mano Melo/ Alvin L.)
Garganta (Antônio Villeroy)

Bis: É Isso Aí (The Blower’s Daughter) – (Damien Rice/ Vers: Ana Carolina)

途中のSaí Pra Tomar Trêsではアナを含め、全員がアコースティック・ギターを抱えたり、Cabideではアナの弾き語りに 他の3人がコーラス、続いてアナとランランのパンデイロ・ショーと,ショーの構成も良くできていた,一瞬たりとも飽きさせない。それと、楽屋で待機中に、広報担当のMIDIORAMAのオラシオの仕掛けなのだろう、なんとミス・バイーア・ゲイ23012と,恐らくその相棒まで準備していたが、最終章で彼らが登場。もう会場は大興奮だ。このメンタリティは日本人には持ち合わせていないだろうが、凄すぎる。

訳2時間たっぷりのショーだったが、世話を焼いてくれたスタッフたちに感謝しながら会場を後にした。といっても、あのコンシャ・アクースティカからカンポ・グランジに抜ける坂道がきつい。老体に鞭打って、休み休みホテルに辿り着いたのであった。たった4日間だったが、まさにバイーアらしいバイーアの体験だった。

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