天才ネストル・マルコーニのこと…


さて、今回は今年招聘作業を手伝うことになったネストル・マルコーニとも会う必要があった。マルコーニとは古い付き合いで、もう70年代の後半からブエノスに行けば彼の出演するタンゴ・ハウスを求めて出かけたものだった。

最初は「カーニョ・カトルセ」。この店は最初は気の良いユダヤ系の経営者がいて、観光客向けではなく、圧倒的にブエノスのタンゴ・ファンに向けて開店した店だった。70年代にはセステート・タンゴやまだ若かったビルヒニア・ルーケなどが出演していた店だが、マルコーニは当時からとにかく即興の演奏が大好きで、後年あまり客が入らなくなった頃は、なんとあのフアンホ・ドミンゲスと客がいようといまいと連日即興タンゴ大会を演じていた。
“天才ネストル・マルコーニのこと…” の続きを読む