アルゼンチンで客を迎えての2日目。まず国立タンゴアカデミーのソリア会長に挨拶のはずだったが、直前に「風邪でダウン」との報せ。午後1時半からの録画に備えて同じ「ビニーロに早めの準備に。この日は来年春の民音タンゴ・シリーズで来日するパブロ・エスティガリビアの撮影。ビクトル・ラバジェンの来日公演の時から目をつけていた若い、しかし実力十分のピアニスト率いるセステートだ。パブロは今年、日本でのレコード大賞に相当するガルデル賞を獲得したばかりで、今や大いに注目されている。日本公演の時も一番先に会場入りし、一番先にピアノの席に着き、一番先に音を出し、サウンド・チェックの後も一人黙々とピアノを弾き続ける男だった。日本にいる2ヶ月あまりの間にもかなりの十分上達したように見えた。「日本ではどの会場にも最高のピアノがある。恥ずかしい話アルゼンチンではグランド・ピアノですらすべての会場に揃っているとは限らないし、会っても質が悪かったり…」録音のスタジオでさえ、なかなか満足のいくピアノがないのだという。そんな彼とはあのラバジェンのツアー直後から「必ずパブロのセステートで日本ツアーを考えるから」と言ってあった。で、彼もその期待に応えてくれてすぐに背ステートを結成。今までに何度も録画してはプレゼンしてきた。あれからすでに5年の月日が経って、ようやく実現の運びとなったわけだ。
パブロはガルデル賞の受賞後もラバジェン・トリオとのツアーに忙しく、なかなかセステートの練習に時間が割けないでいた。だから、今回も彼らの最高の曲目での録画にはならない。しかし、パブロの今一番評価の高いソロも加えて良いレパトリーを揃えてくれている。前日マエストロ、ラバジェンも招待したが、なにしろパブロもラバジェンもこの日夜にツアーのためNYに出発だ。やはりラバジェンは来ることはできなかった。しかし、ラバジェンはパブロの応援ビデオの収録のために26日には戻ってくるからその時に録画しようと言ってくれた。曲目は;
Saludo