今年2度目の中南米への旅

DSC_4167 (2)この間、ポルトガルに突然行ってきたが、その前から予定していた中南米への旅に出掛けてきた。今年秋に行われるベネズエラのグアコに続いて来年は予定がぎっしり入ってきた。まず、来春のタンゴ。オラシオ・ロモのセステートを中心に今年のパブロ・エスティガリビアを上回るステージを仕上げたい。で、それが終わると今度は一昨年成功させたブラジルのスルルー・ナ・ホーダ台湾公演。昨年のタンゴの台湾公演が大成功に終わって、次に自信作は?と聞かれてスルルーを推してきたのだが、今年は台湾の都合でひょっとしたら秋にずれるかもと言う事態になっている。で、それが終わると、この間急遽決まったポルトガルのファド、そして昨年から決まっていたニカラグアの企画だ。ただ、ニカラグアだけは前回で女性歌手だけは決まっているものの、バックはまったく未定のままだった。何度か連絡取り合ううちに、最近になってなかなか良いグループが現れてきた。だから、すぐにでも来てまとめたかったのだが、ポルトガルの仕事が入ってここまで伸びてしまったというわけ。

 

さて、中米はその昔、もう10年以上も前に「中米4ヶ国」を一緒にしたフェスティバルをやった時、それからその後のカリブ企画でハイチの企画を固めるのにハイチやマイアミを何度も往復して以来。最もカリブ企画ではジャマイカやキューバも何度も行っては固めたが。いずれにしても中米とかカリブというとすべてが近くにあると思われがちだが、その数カ国を一度に回るとなると実はそん簡単ではない。航空券をうまく買わないととてつもなく高くなる。もっともマイレージも価格も考えなくて良ければ別だが。

それにしても中米4ヶ国企画の時は当初は何一つ候補もないところから始めたから大変だった。日本の「よく知る、詳しい」人たちの意見もほとんどが現状にあっていないから当てにはならない。コスタリカだけは現地入りして音楽関係者に企画意図を伝えると意外にすぐに固まってきたが、このニカラグアでは日本大使館にいた音楽好きの女性に案内されている中で決まっていった。そしてその女性歌手から噂を聞いて訪れたホンジュラスではギジェルモ・アンダーソンという優れた歌手グループに出会うことができた。ここまで結果だけを書くとたいしたこともなさそうだが、南米のアルゼンチン、ブラジルの大きな企画を詰めながらの作業だったから結構大変だった。特にパナマはまったく該当アーティストに出会えず諦めかけたらたまたまマイアミで活躍する連中に出会えて、思い切り格好がついたのだが(パナマ大使が日本のそのステージを聴いて我が国にこんな素晴らしいグループがいたのか?と驚いた)、さてまとまって予算の話になると中米の小国から招聘するのにさほど経費はかからない、と信じられない予算を押しつけられて大奮闘した記憶がある。で、それだけならまだしも、今度はその中から1ヶ国を削って欲しいとの要望。スポンサーというものは企画の思い入れに関しては我々とはまったく違っていて、要するに知らないジャンル=たいしたことはない、となる。日本の音楽に携わっている会社でさえそんなものだから、世界から「日本の民度か}と言われても仕方がないところに我々は住んでいる。一番困るのはスポンサーを連れて行って、似合わない発言をされた時。アーティストとの信頼関係は、自分がどんな音楽に興味を持ってやってきたか、どうして貴女を絵乱舞事になったのか、など結構デリケートなことがすべてを決める。あまり目上目線で話をすると一巻の終わりと言うことも多いからだ。

 

_DSC8942という流れで、せっかく決めたのに、1ヵ国だけ外さざるを得なかったのがこのニカラグアだった。女性歌手の名はカティア・カルデナル。

Katia Cardenal was born in Nicaragua in 1963. She became a fan of popular music at an early age, singing in the chorus at Managua’s El Colegio Teresiano chorus. She began to perform in public with her brother, Salvador, when they were just 16. They called themselves the Duo Guardabarranco, after the national bird of Nicaragua. It did not take long for her fresh harmonies, original poetry, and melodic songs to gain popularity. She was not only recognized by people in her country, but also internationally by the supporters of Movimiento de la Nueva Canción Latinoamericana. With only a few years of experience, she began to tour the Americas and Europe. Amidst her other work, Katia also graduated as a musical educator from the Escuela de Música de Managua in 1984. From 1984-94 she worked as a flute and solfa teacher for kids and adolescents in different schools. Since January 1997, she has strengthened her solo career and moved to Europe. She has released nine solo albums, which represented different stages of her career. She has explored new topics and rhythms with musicians from NorwayNicaraguaSweden, but has always remained faithful to the songs that inspired her two decades ago. In 2004, she started her own record label called Moka Discos in Nicaragua. Currently, she still gives concerts and continues doing her songs, her brother Salvador Cardenal’s songs, and those of other Hispanic and Scandinavian composers. She lives with her husband and four kids in both Nicaragua and Norway. During her career she has performed in the United StatesSpainGermanyDenmarkNorwaySwedenCzechoslovakiaCubaRussiaPanamaEcuadorMexicoCosta RicaHondurasSwitzerlandCanadaChile, and others.

 

10数年前、彼女を訪ねた時には弟のサルバドールとドゥオ・グアルダバランコというグループで活動中だったが、そのサルバドールの家に招待されて驚いた。本当に自然の中の掘っ立て小屋で、弟は得意の絵をかき、彼女と歌い、料理をし、本当に好きなことだけをやる生活を続けているのだった。

 

まぁ、この辺の話はこれからもすることにして…。今回はそのドゥオのひとり、弟のサルバドールは亡くなっている。

自分のラティーナ人生の終判にどうしてもやっておきたかったのがベネズエラのグアコと、このニカラグアのカティアだった。

 

久しぶりのアメリカン航空でニカラグア入りする。アメリカン航空は昔から中米・カリブには強いのでこの航空会社をよく使うようになったのだが、中米入りして、次の国に繋げるにはマイアミを経由するしかない事が多い。ただ、日本を午前中に出ると、ベネズエラにしてもニカラグアにしてもその日のうちに辿り着ける。もちろん時差があるから。で、月曜日の朝10時40分の飛行機で、無料アップグレードをするために8時少し前に成田へ。しかし、カウンターは2時間半前に開く。で、一番最初にカウンターに行って順調に進めていたが、なんとESTAが切れているではないか。早速ネットでESTAを申し込む。今は実に簡単に承認されることになっていてセーフだった。この騒動ですっかり疲れ切って機内は爆睡。今度はダラスからマイアミ、少し遅れているらしい。で、搭乗してすぐに一眠り。2時間くらい寝ただろうか、目が覚めるとまだ出発していない。これはマイアミで4時間ほどあったトランジットの時間がぎりぎりという時間だ。尋ねると「大丈夫。出発時刻1時間前に到着するから」とそっけない。本当に一時間前に到着したが、ターミナルが近ければ間に合うくらいの話。実際ゲートが近かったから良かったが….。マナグアに着いた時にはもうクタクタ。日本を出てからほぼ24時間で荷物も無事到着。これならマイアミで一泊しておけばよかった。何度旅を重ねても日々勉強である。

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