今年のアジア選手権評価

dsc_4944大変だったアジア選手権も終わり、いろいろな評価が届き始めている。一番は「海外勢に比べて日本人参加者が少ない、そして特にピスタ部門での海外勢に比べて日本勢の劣勢が酷すぎ」など。私も同感だ。アジア選手権を始めた頃には、圧倒的にステージが選手権の華だった。しかし、ヒロシ&キョウコが世界チャンピオンになってピスタが俄然注目されたこともあって、タンゴダンスの真の醍醐味は「ピスタ」と宣伝されすぎた感がある。確かに、先に知らされていない曲を、その場で聴いて振り付けを競うピスタは大変に奥深いものであることは確かだ。が、ステージの派手な振り付けは圧倒的だし、ソシャルダンスからの転向組が多かった、以前のタンゴダンスの先生たちのせいもあるのだろうか、アジアの近隣諸国に比べても日本のカップルの振りは圧倒的にアルゼンチン感が足りない。リズムの捉え方、今の本場での流行りを何故か近隣アジア勢の方が良く捉えてい_d3s7113る。日本にはかなりの数のアルゼンチン人教師もいるし、日本アルゼンチンタンゴ連盟もできてたくさんの「教師」も生まれてきている。それでいて、昨年に続いて今年もピスタ部門の決勝に残ったのは10組中わずかに1組という惨状は理解できない。果たして日本アルゼンチンタンゴ連盟の役割はこのままで良いのだろうか?「教師」は負けるわけにいかない人々の集団だとしたらこれも情けない。例えば、選手権で勝つことだけがタンゴダンスの目的ではない、という意見には私も賛成だが、選手権があって、アジアから優秀なカップルが来て、タンゴダンスの大いなる宣伝の場であるアジア選手権に出場する生徒にはせめて「勝つ」踊り方くらい教えられなくてどうする? 選手権が終わって、日本タンゴダンス連盟の何人かの先生たちにとこんな話をした。実はみんな同じ感覚を共有していた。来年は出来るだけたくさんのカップルに参加してほしいと思うし、出来れば「勝って」欲しい。このままでは連盟の将来も非常に危ういと思う。

 

_d3s7208さて、アジア選手権に限らず、昨今の公演会場難は酷すぎ。2020年に向けてなのか何が原因なのか知らないが、修理、建て替えが続いて都内の使える会場は本当に少なくなった。特に公的な援助が全くないアジア選手権では公立の安い会場でなければ成り立たないからさらに大変。今回は連盟の先生たちに応援を依頼したところ結構な数の先生た_d3s7172ちがいろいろな形で応援してくれた。やはり、タンゴダンスのプロモーションやタンゴダンスの未来を心配する先生たちもたくさんいるのを実感できた。おかげで来年もなんとか選手権の方も実現できそうだ。

 

アジア選手権の後は、今度は世界選手権。今回はスポンサー筋の一番偉い方が8月に行くためと、タンゴファンの代議士もブエノスに向かい、大使公邸でミロンガを開いてくれるそうなので、その下準備もあって18日からマイアミ経由でブエノスに向かう。8月には世界選手権の録画・取材もあるのでもう一度行くことになるが、そのスケジュールを決める今回は重要。今秋、ベネズエラの超大物グループ、グアコがやってくるために、もっと前からカラカスに行かなければならなかったが、ちょうど7月20日近辺にマネージャーがマイアミに出てくれるというので、マイアミで打ち合わせすることになっている。グアコという大物を決めたのは良いが、スポンサーにとっては大物かどうかはあまり関心がないのか、恐ろしいことに内部の問題から弊社に正しく仕事が決まったのがつい最近。スタッフの手配はなんとか押さえたままにしていたが、ホテルの予約や国内の遂行など難題はたくさんある。今回マネージャーとの打ち合わせは非常に重要になる。昔のレコード会社もそうだが、音楽に携わる業界で、上にいる人間が音楽そのものに興味がない人間だと確実に弱体化する。どんな音楽が欲しいのか、しかもそれが国際的にどのくらいの価値なのかわかっていなければどうやって交渉するのか、私には全く理解できない。まぁ。愚痴はこの辺にして、あと数日で旅に出る。まとめてくること多すぎ。