プラッサ11、30周年+1

プラッサ・オンゼが開店30周年+1という。今はもうあの大声で笑い合った仲間もあまり見かけなくなって、足もついつい遠のいてしまうことが多いが、わがラティーナ誌とは切っても切れない関係の店だ。

プラッサ・オンゼは東京・青山3丁目の交差点から少し渋谷寄りに進んで歩道橋の麓を少しだけ右に入ったところにあるもともとはブラジルとサンバの店である。日本のサンバ、ブラジル音楽のムーブメントはこの店から生まれたと行って過言ではない。そして、この店を始めたのが故浅田英了氏(本名・英夫)。あのKIMIJIMAブランドが全盛の頃のカメラマンとして、またモナコ王室御用達ブランド、ヴァン・クリーフのカメラマンとしても活躍した名写真家だが、それもひとつの顔。少年時代をブラジルで過ごし、70年から日本に住んで、当時は殆ど誰にも聴かれなかったブラジル音楽を愛し、会う人ごとにその素晴らしさを語り、日本でブラジル音楽の芽を育て、青山に今の「プラッサ・オンゼ」を開店しながらさらにブラジル音楽を花開かせてくれた恩人である。 “プラッサ11、30周年+1” の続きを読む