リオ,想い出のセントロ散策


アルゼンチンでの滞在も約2週間が過ぎて、この辺で夏休みでも,と言うことで行き先を考えた。なにしろここは寒いからどこか暖かいところを、と探す。昔はこちらから買うとヨーロッパなどもかなり安いのがあったりしたから探してみるが、日本よりは多少安い程度でそう都合良いツアーはない。で、ラテンアメリカ内では、やはりブラジルだ。そういえば、ブラジルにはここのところも何度も行っているが,昔一番好きでよく行ったバイーア州のサルヴァドールにしばらく行っていないことに気付いた。

で、ネットの格安サイトで調べるとなかなか便利なサイトがいくつもある。まず航空券を探して、ついでに宿泊も同じサイトで探すと割引率が半端じゃなかったりする。で、心はすっかりサルヴァドールへ。 “リオ,想い出のセントロ散策” の続きを読む

しばしのアルゼンチン滞在

NHKのスタッフが帰国して、いつもならば私もいったん帰国するのだが、また8月にやってくることになる。実は毎年企画に出しては忙しさのあまり実現できなかったタンゴ、ブエノスアイレスに関する紹介本を今年こそ発刊したいと思っている。そのこともあって、少し長いがアルゼンチンにとどまることにした。

予定している本は、日本でのタンゴ・ファンにタンゴ・ガイドをするのが一番の目的だが、このところブエノスにやってきてタンゴ修行に励むファンも圧倒的に多くなってきた。そんなファンへの優しいガイドでも出来たらとも思い、できるだけ多くのページをブエノス紹介に当てたいと言う思いもある。ブエノスアイレスという街は、タンゴだけでなく、ファッションやその他のことでも大いに世界に誇ることを持つ都市だ。個人的には76年に最初にこの街を訪れて以来ほぼ40年間この街を見続けてきているが、83年の民政化以降、90年代、デフォルト以降の動きなど、相当荒っぽい政治に国民は踊らされ続けてるが、それでも確実にこの街を前へ前へと進めてきた。 “しばしのアルゼンチン滞在” の続きを読む

盗難事件、夜のタンゴ


 バンドネオンのファビオから電話があった。実はアルゼンチンを代表する世界的に活躍するクラシック・ダンサーがいて、今度タンゴのステージをやるのだが,その前に紹介して欲しいと言っている、という。私はクラシック・シーンは殆ど関係ないから会っても無駄、と言っても何でも日本のアルゼンチン大使館からの紹介で「会うだけで良いから」という。

イニャキ・ウルレサーガだった。この国のクラシック・バレエというとフリオ・ボッカが有名すぎるが、このイニャキも世界を股に活躍しているダンサーだ。以前はバレー・カンパニーに所属して世界中、もちろん日本にもやってきていたが、最近はアメリカ、ヨーロッパを中心に自分のカンパニーでのバレー・コンサートを行って高い評価を受けている。元々、中南米では数多くの受賞歴もあるダンサーだけにフリオ・ボッカの後継,と言う存在だ。その彼が,8月9日からセルバンテス劇場で4日間のステージを行い、後半の2日間はピアソラがテーマで,是非観て欲しいと言う。わざわざラプラタ市からこの粗末なアパートまで尋ねてくれたのだから、専門外だがこれもひとつの勉強、どこか一日行って勉強してこようと思う。 “盗難事件、夜のタンゴ” の続きを読む

エビータ没後60周年


 さて、撮影スタッフが帰る日曜日、以前から気にしてはいたけれど一度も行ったことのなかった「エビータ博物館」へ行ってみることにした。7月26日が彼女の命日で、しかも今年が没後60周年に当たる年(弊誌と同じ)だと、出発前に伊高さんから聞かされていたこともある。で、住所を調べると,私の住むアパートからすぐの所(Lafinur 2988)だ。

一時タンゴダンス世界選手権が行われていたRURAL催事場、イタリア広場、市立動物園、猫がたくさんいる市立植物園を横目に少し歩くと、すぐに何でもない、普通の建物に行き着く。ここがエビータ博物館。この建物はエバの夫、フアン・ドミンゴ・ペロンが最初に大統領になった1946年に、エバが設立した「エバ・ペロン財団」の建物だったが、没後50周年の2002年7月26日からエビータ博物館として使われている。すぐ横というか内部では繋がっているが、レストランも営業している。 “エビータ没後60周年” の続きを読む

タンゴ・カフェ、ブエノスへ


ついこの間帰国したばかりなのに、またまたアルゼンチンに向かう。今回はNHKの番組「栗山千明のタンゴ・カフェ」のコーディネートを引き受けていて、その最終局面の重要なシーンが16日に。これは失敗できないためにその日までに到着する必要がある。なにしろ、「カニング」というミロンガでのパーティだが、ここで、今回の主役であるガスパルと栗山千明のダンス・デモを設定した。しかし、そのためには十分なファンを集める必要はあるし、会場も色々設定する必要がある。ピン・スポットやスモーク、クレーンも要してあるが、電源の問題など心配事が一杯。

いつものアメリカン航空を予定していて、大分前からHPを覗いていたが,最終的に予約をしようとしたら何故か出発の15日だけが急に値段が高くなっている。それも半端じゃない上がり方だ。恐らく何かあるのだろう。で、同じワンワールドのブリティッシュ・エアーを覗くとこちらは普通の価格。久しぶりにヨーロッパ経由で向かうことにした。 “タンゴ・カフェ、ブエノスへ” の続きを読む

今年も盛り上がった東京タンゴ祭


先週のタンゴダンスのアジア大会に続いて,今週は今年で3回目になる東京タンゴ祭。今年もバラエティに富んだ11楽団が出演した。このタンゴ祭、もともとは2010年、アルゼンチン建国100年の年に我々としても何か記念になる行事をと考えて始めたのだったが、これが大好評、昨年、今年と続けることになった。とはいっても、毎年同じ出演者では…と思っていたら、いるいる、日本全国にはまだまだ実力のある楽団がたくさんいるものだ。昨年に続いて今年もなかなかフレッシュなタンゴ祭を届けられたと思う。

選手権だけでなく、このタンゴ祭も地方都市で活躍する楽団も参加できるよう,開催はやはり土日に限られるから、またまた会場探しが大変。昨年は渋谷に吊ったが、今年は好評だった浅草公会堂を押さえることが出来た。浅草寺の境内からすぐの所にある公会堂は雰囲気満点。何時の日か海外のオルケスタも招聘して規模が大きくできたとしたら是非ここで開催したい,と思うようなザ・東京的な立地。会場の前には数々のスターたちの手形が収められている。台東区が大衆芸能の振興に貢献した芸能人の功績をたたえ、その業績を後世に伝えるため1979年(昭和54年)に創設したもので、「スターの広場」と銘打たれている。この日は先日他界した山田五十鈴さんの手形に綺麗な花も添えられていたりした。山田さんはこの顕彰制度創設年のスターだった。アルゼンチン・タンゴ界も新しい楽団がたくさん輩出するようになって、老マエストロたちが色々な形で顕彰されるようになっているが、なんだか、その雰囲気と被るところがあって興味深い。 “今年も盛り上がった東京タンゴ祭” の続きを読む

海外勢大奮闘のタンゴ・アジア大会


いよいよタンゴダンス世界選手権の季節がやってきた。今年は7月7日と8日の2日間。昨年まで会場として使っていた横浜の大桟橋ホールはなかなか評判も良かったのだが、311以降は「津波」に対する心配の声が寄せられて、昨年だけは一応会場の方や警察の方とも協議して、緊急時の対策はとっていたものの、やはり心配の声が止まらなかったこともあって都内で探すことにした。その結果、本大会は中野ゼロホールを予約することができたが、予選の会場は難航した。都内のホールでこの時期に土日続けて予約するのは並大抵ではない。かといって、海外や、地方からの参加者もいるから予選と準決勝、決勝を時期をずらして行う訳にもいかない。今回は予選の場所に、青山にあるスパイラル・ホールの好意もあって、ここで開催することにした。 “海外勢大奮闘のタンゴ・アジア大会” の続きを読む